星の降らない夜に
写真は今日の天気とは正反対。梅雨明け宣言したいくらいだった日はもう10日も前のことだ。鹿児島本土に大雨が降り、奄美も翌日からどんよりした梅雨の景色に戻っていった。ぱっとしない7月だが例年通り開催された夏の行事のひとつ、近くの病院のお祭りに家族で出かけた。食券を購入し通し番号の入った抽選券をもらう。焼きそばや焼き鳥、お好み焼き、ビールにかき氷と交換し、集まった近所の人たちとおしゃべり。そしてお楽しみはギフト券や島の特産品、自転車など豪華景品の当たる大抽選会。うちは毎年何も当たらないけれど知り合いの誰かが当たる。それも楽しい。その前に子供は花火やおもちゃの当たる輪投げに並ぶ。100円で三回投げる。一等は一番遠くに、2等以下はその手前に二つ、またその前に二つと全部で5本ポールが並んでいる。うちの息子の番が来た。三つの輪を緊張しながら受け取り、一投目。一番近い(手を伸ばせば簡単に入りそうな)ポールめがけて投げるが外す。それから間を取ることなく同じポール目掛けて2投目、3投目もぽんぽん投げた。まさに投げやりだった。二つとも届かなかった。もう顔が泣いている。駐車場まで走って逃げた。泣き顔は友達に見られたくないのだ。追いかけた僕に「もうゼッタイ当たらない。こんなのムリだもん」と拗ねた。「諦めたら終わり、悔しいなら当たるまで逃げずに挑戦しよう!」と、なんとか説得してあと2回チャレンジすることにした。そのためにまた食券を買って抽選券をもらう。6つの輪っかを手にした息子にアドバイスを送る。「焦らずゆっくり丁寧に投げろ。そして狙うのはあくまでも一等だけだ。一番遠い所だぞ!」一投目、外す。泣かない。二投目も外す。三投目も、、、外す。まだ泣かない。ここで一回深呼吸。四投目も外す。五投目、ポールに当たったが惜しくも入らなかった。最後の一投、奇跡を起こすために祈る、、、間もなくあっさりと投げた。しかも、それまで狙った一等のポールではなく一番近い五等のポール目掛けて。なんと弱気な。。。そして本人が「絶対当たらない」と予言した通りに外した。顔がゆがみ、泣きそうなところへ係のお姉さんが飛んできて一等の花火を手渡した。「入らなかったけれど頑張ったからご褒美!」だって。花火よりも優しくしてもらえたことに感動して素直に喜んだ息子はやっと笑顔でみんなの元へ戻る。
ちょうどお楽しみ抽選会が始まっていた。例年のごとく周りのお友達に次々と景品が当たるなか、相棒が「うちは毎年当たらないから期待しないほうがいいね~」って笑っていたら、息子が握りしめていた四枚の抽選券のうちの一枚の番号が当たった。景品を抱きかかえて「もういい、もういい!これでジュウブン、もう当たらなくていい」と息子。だが「次の当たりは498番!498番のかた~」息子が飛び上がって手を挙げた。輪投げのために追加購入した食券についていた番号だった。七夕の前日に起きた小さな奇跡。今年はウサギ年、射手座、B型は最高の運勢だってと妹が言ってたけれどこれか?家族にこんなちいさなラッキーがついて回るくらいの運勢でジューブン。
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