冬の朝

 5時に目が覚める。録画した「いだてん」を観て6時半になっても外はまだ暗い。 散歩をせがむ犬をなだめながらテラスにでると星がきれいに光っている。名瀬に行かないでここでずっと過ごそうと決めた理由のひとつでもある。毎日繰り返す日々で同じ風景に飽き飽きするか、それとも同じ時間でも見える景色は違う、温度もにおいも毎日違う「今」があると楽しめるか。一日一日を味わうように楽しみたいと思ったからだ。 うちのチビはとても寂しがり屋だ。正月に神奈川の実家で過ごした、祖父と祖母、いとこたちとのにぎやかな時間の反動でめそめそ泣いた。でもそのさみしい気持ちがとっても大事なんだ。だから人に会うと嬉しくなる。優しい気持ちになれる。一人が嫌で馴れ合いつるんでしまうとその寂しさはごまかされてしまう。朝の澄み切った風景を眺めながら田舎暮らしのありがたさを感じる。